とくに上額咬合圧平面は先に実証されたように、カンベル平面にかわる咬合平面の測定基準線として最も重要である。
 次に上顎咬合圧平面に対し、計測される各線がどのような相対関係の位置にあるかをトレースされた略図で表してみる。
1)上顎咬合圧平面に対する下顎咬合圧平面の相対関係は3つの形態に分類される。(G‐1〜3)
@上顎咬合圧平面に対し下顎咬合圧平面が平行関係にある。
A上顎咬合圧平面に対し下顎咬合圧平面との間隔が前方に向かって狭くなる。
B上顎咬合圧平面に対し下顎咬合圧平面との間隔が前方に向かって広くなる。
上記の形態を@を1級、Aを2級、Bを3級、と分類した。
次に前歯部喪失顎または無歯顎における咬合圧平面の設定法について述べる。
このような症例では歯槽骨前方部が多分に吸収されているので、咬合圧平面の計測点の一つであるA点およびB点は明確に判定しがたい。このため筆者は有歯顎のセファロ上で数多くの分析を試みたが、偶然にもPNS‐A線(上顎咬合圧平面)の前方延長線と皮膚面との交わる部位が東洋医学の経穴である人中点と一致することを発見したのである(H)。同様にGo‐B(下顎咬合圧平面)の前方延長線が皮膚面との交点で承漿点に一致したのである(I)。

(註)人中は鼻と上唇の問にできる人中溝の上1/3の点、承漿は下顎正中線のオトガイ唇溝中央の凹陥部6)
G−1 1級:上顎咬合圧平面に対し下顎咬合圧平面が平行関係にある。