|
尾沢歯科医院(全身咬合センター)における相談会で、しばしば行われるのが食生活改善のためのレクチャーです。第二次大戦後、日本はアメリカから大きな影響を受けました。食生活に関しては、主食が米中心から米とパンへ、副食が野菜中心から肉や魚へ、さらにバターやチーズなどの乳製品の摂取はグンと増えました。現在、米を主食としている人は70%、そのうち95%が白米です。副食は週平均で肉が3回、魚が4回、野菜は回数的には多いのですが絶対量が少ないようです。また補充食品として栄養剤を飲んでいるのも特徴です。その結果現れたのは、動物性蛋白や飽和脂肪酸の摂取過剰と、十分な咀嚼なしに食する習慣です。食生活はこの50年間ですっかり変化してしまったのです。
本当の健康を願う皆さんには、これらを踏まえ、まず食生活の見直しから始めていただきたいとおもいます。全身咬合センターで私(尾沢文貞)は、皆さんの1週間の食生活もお聞きしています。すると予定通り、先にあげたような食生活になっているのですね。全身的な症状としては、便秘を訴える人が多い。結論から言いますと、このような状態では咬合を改善しても、根本的な解決にはなかなか結びつきません。それには次のような理由が考えられるからです。
(1)肉や魚の過剰な摂取がもたらす筋の緊張 必要以上に肉や魚を食べていると、困ったことに、筋が弛緩・リラックスすべき夜中にも頻繁に緊張が生じます。具体的には、就寝中のスパズム(アゴの筋肉の異常収縮)による、クレンチング(喰いしばり)やブラキシズム(歯ぎしり)です。その結果、側骨がズレて顎位(アゴの位置)は偏位してしまいます。咬合を改善しても一時的なものとなり、もとへもどってしまいます。ナイトガード(マウスピース)は一つの予防法ですが、対症療法にすぎません。
(2)白米を中心とした食事がもたらす精神の不安定と自然治癒力の低下
ご存じのとうり、米食の味わいは淡白です。その結果、味のある副食物、つまり、味の濃いおかずが欲しくなります。いきおい、肉類、魚類の摂取に拍車がかかり、たんぱく質の摂り過ぎになり、筋の緊張を招きます。
(3)甘味料の過剰摂取による血糖値の急上昇 パン食の場合はジャムやマーマレードや蜂蜜などを同時に摂ることが普通で、さらに副食として果物、牛乳などの乳製品も摂ることが多いようです。これらに含まれる低分子炭水化物は、ゆっくりとエネルギー化する高分子炭水化物とちがい、時によりムラのある形で急激に吸収、エネルギー化されます。そのため食後の血糖値は急上昇し、身体は不安定な状態に陥り、思考や感情は安定せず揺れ動きます。そして、免疫力、自然治癒力の低下原因となり、咬合治療の妨げになります。 |
|
|